DJポリス-同じ土俵でのメッセージは強い
少し前、サッカー日本代表が、ワールドカップ出場を決めた夜の
渋谷スクランブル交差点での警察官のアナウンスが話題になりました。
DJポリスと名され、警視総監賞も授与されたのですよね。
遅すぎますよ、と言いたいくらいですが、
ようやく警察も彼のようなアプローチでのアナウンスを取り入れるようになってきた
のことは
素直に良しとしましょう。
「皆さんは12人目の選手です」
「おまわりさんも嬉しいのです」
彼のアナウンスが通じたのは、なんといっても、
渋谷で歓喜する若者たちと“同じ土俵でのメッセージ”だったから。
その上で、すべての言葉がわかりやすい表現でした。
人を動かすには、敵対・自己・利己モードは、
ガツンと進めていても、相手との温度差が生じ、結局遠回りになることも多いもので
す。
逆に、相手の懐に入り込むことと相手を引き寄せる自分の懐の深さをもって進めると
思いのほか、スムーズに展開することも多いものです。
もちろん、それは相手にへつらったり、相手をおだて上げるということではありませ
ん。
かつて、私のネゴシエーション研修では
小泉政権時代、北朝鮮拉致被害者帰国に立ち会った中山恭子内閣官房参与(当時)を
タフネゴシエーターのモデルとして挙げていた時期がありました。
中山さんの穏やかな物腰と語り口の奥に秘められた芯の強さは、
ズバリ相手の懐に入り込むことと相手を引き寄せる懐の深さを併せ持っています。
ビジネス、人間関係、様々な場面で
相手の懐に入り込むことと相手を引き寄せる懐の深さを持ち合わせていると
それは武器になりますし、今や当たり前のことになりつつあるはずなのに、
DJポリスのおまわりさんが注目されるということは、実践できていない日常が相当多
いのかもしれません。
せっかく注目されたのですから、官民問わず、あらゆる立場の方たちが、いろいろな
場で活用できるひとつの指標にしてほしいです。
シンプルに“同じ土俵でのメッセージ”を!
2013. 06. 16