ケリングが語る「リサイクルやアップサイクルをすればいいというものではない」

昨年末、

ケリング表参道ビルワークショップも含めた展示会へ。

 

4つのステージを生産過程や過去のコレクションとともに表明するとともに、

CSOのマリー・クレール・ダヴー氏が語る「リサイクルやアップサイクルに留まらない、自然との共生」は、これからのサステナブルの根幹を示す指標となるものでした。

 

世界でもっともサステナブルなアパレル企業として認定されてから経年するケリング。

2025年までにグループ全体の環境への影響を40%削減するという目標を設定し、

そのロードマップとして3本の柱「ケア(配慮)」「コラボレート(協業)」「クリエイト(創造)」を掲げ、

責任あるラグジュアリーを追求していますが、ブランドによる生物多様性のための戦略として4つのステージを設定しています。

 

 

「回避する」

最初のステージである「回避する」では、生態学的に保護価値が高い地域から生物を採取・捕獲しないことを意味します。たとえばビスコースなど木材パルプを原料とする素材は、希少価値の高い古代林や危機的な状況にある森林からではなく、FSC認証を得たサプライチェーンから調達するといった取り組みを行っています。こうした取り組みを進めるためにも、2025年までに100%のトレーサビリティを実現することを目標としています。

 

「削減する」

次に「削減する」というステージでは、「回避」できずに生物多様性に悪影響をおよぼしてしまう場合、影響の出る期間の短縮や影響の緩和をはかることを意味しています。そのため、ケリングが主に使用する17の素材の調達・製造プロセスについてまとめた「ケリング・スタンダード」を策定し、各ブランドやサプライヤーに配布。基準の中にはオーガニックコットンの優先調達やリサイクル素材の使用の推進などが含まれています。2025年までにスタンダードの100%遵守を目指しており、2020年時点で達成率は74%となっています。

 

「修復・再生する」

三つ目のステージ、「修復・再生する」では、破壊や劣化といった悪影響を受けた環境を専門家と連携しながら再生する取り組みを行っています。たとえば、砂金の採取地である仏領ギアナ地域やアマゾンにある高山の森林再生などに取り組んでいます。また、2025年までに店舗や倉庫、事業所などを含めたケリングの直接的なフットプリントの合計3倍以上の面積を修復することを目標としています。

 

「転換する」

最後、四つ目のステージ「転換する」では、グループ内の取り組みに止まらず、ファッション・アパレル業界全体の変革へとつながるよう、業界全体への働きかけを行っています。たとえば、ケリングの会長兼CEOであるフランソワ=アンリ・ピノー氏は2019年、気候変動、生物多様性、海洋保護の3分野において、ファッション・テキスタイル企業が共通の目標を掲げて取り組む「ファッション協定」をリード。現在、業界シェアの約三分の一を占める70社もの企業が参加するグローバルイニシアチブとなっています。

また、温室効果ガスの排出量や水使用量、土地利用、廃棄物量​など、バリューチェーン全体の環境負荷を可視化、貨幣価値に換算する環境損益計算(EP&L)​​など課題解決のために役立つツールを開発。オープンソースとして公開し、業界全体の転換を推進しています。

 

 

さて、皆さんの事業のあり方は如何に??

テクノロジーやスキルに軸足が偏っていませんか??

そもそもの、地球に生きる者としてなおざりにできない根っこを重んじていますか??

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2022. 01. 28

ドラマ「日本沈没」が伝えるメッセージ

TBSの連続ドラマ「日本沈没~希望のひと」を見ていた人も多いことでしょう。

 

ドラマのクライマックスにかけて、地球温暖化による永久凍土の溶解から起きた感染症が世界中に蔓延して,その菌が植物連鎖により更に広がっていると、ストーリーは展開されました。

これは地球温暖化の影響の一つとして,何十年前から言われていることです。

よくここまでの放映を英断したテレビ局に敬意を表します。

これは昨年起きたアメリカの大竜巻とも、

つい先日記録更新をした南半球の最高気温50.7℃とも繋がるものです。

 

永久凍土は大気のほぼ2倍の炭素を保持しており、その大部分をメタンとCO2が占めています。

永久凍土の溶解による温室効果ガスの放出は、2015年の「パリ協定」で決定された

世界の気温上昇幅を産業革命以前と比べて1.5度に抑えるという努力目標を危うくするものなのです。

 

CO2は地球温暖化の最大要因とされていますが、メタンの温室効果はCO2の25倍。

永久凍土の温室効果ガスが大気中に放出されると、地球温暖化が悪化し、氷が解け、

さらに永久凍土の溶解が進み、地球温暖化の尋常ではない悪循環に陥ってしまう恐れがあるのです。

 

そしてもうひとつ。 溶けた永久凍土から未知のウイルスが拡散されることが危惧されています。

新型コロナウイルスによるパンデミックは、人類が免疫を持たない未知のウイルスによる感染爆発ですが、

永久凍土にも数多くの未知のウイルスが眠っているとみられます。

実際にフランスのウイルス学者のチームは、溶け始めた永久凍土から「モリウイルス」という新種のウイルスを発見しました。

生物の細胞に入ると12時間で1000倍に増殖し、その高い増殖能力に脅威を感じたといいます。

今、現実に永久凍土は溶解しだしてます。

 

「日本沈没~希望のひと」は、まさに、今の地球温暖化の現状を見て居るようです。

果たしてこれをフィクションと言い切れるでしょうか。

 

写真は、4年前のニュースにて掲載された餓死寸前のホッキョクグマ。

私たちの“あり方”が問われていると思わずにいられません。

 

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2022. 01. 17